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独断と偏見で宝塚を愛す

海乃美月に救済されたエリザベートの魂〜ヴィンディッシュのガラスの世界〜

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おはようございます。

む〜です。

 

今日は昨日に引き続きエリザレポを書きました。

本日登場していただくのはヴィンディッシュ嬢を演じた海乃美月ちゃんについて。

 

ヴィンディッシュ嬢として登場するのはたった数分なのに、観客の心に大きな衝撃を与えて軽やかに去って行く彼女。

 

海乃美月はやはり素晴らしい女優なのだと再確認させられた場面でした。

 

 

「病院」の場面をレポする

 

まずは感じたままにヴィンディッシュ嬢の場面をレポさせてください。

 

彼女が登場するのは「病院」という場面。

エリザベート皇后が精神病棟を訪問するところから場面は始まります。

 

エリザベートが病院の関係者と握手し挨拶を交わしているところに海ちゃんヴィンディッシュ嬢が花束とボロボロの扇子を持ってふんわりと現れます。

 

彼女の佇まいは病人とは思えないほど堂々としています。

当人であるエリザベートよりも堂々と胸を張ってこう告げるのです。

 

「さぁ!皇后自ら手を差し伸べているのよ。」

「どうして跪かないの?」

「私はエリザベート!」

 

この瞬間だけ、私は本物のエリザベートがどちらなのかわからなくなりました。

海ちゃん演じるヴィンディッシュ嬢は間違いなく全盛期のエリザベートを模倣したような立ち振る舞い。

 

あまりにも堂々としていて病人らしさは微塵も感じさせないその佇まいに、どちかが精神を病んでいるのか、どちらの魂の方が自由なのか、、どちらが本当のエリザベートなのか、一瞬見失いかけました。

 

その後、エリザベートに自分が本物のエリザベートだと主張され嘲笑いますが、医師たちに取り押さえられたその瞬間に彼女のガラス製のシャボン玉がパンっと音を立てて弾けるのです。

 

今まで全く健常者同様に振舞っていた彼女が、一気に精神を病んだ患者に変わるその瞬間はあまりにも衝撃的で・・オペラグラスを持つ手が震えました。

 

人の精神が壊れる瞬間を初めて見てしまったような気がして・・自分のことのようにぞくっとしてしまいました。

 

その後エリザベートに抱きかかえられて、扇子の交換のシーンまで海ちゃんの目からは涙がずっと流れています。

泣きじゃくるのではなく、静かに涙が川のように流れて行く

 

そしてエリザベートに貰った黒扇子を握りしめて彼女はまた不死鳥のように蘇るのです。

 

 

どの公演でも、このシーンで伝えたいことは1つだと私は考えています。

 

・エリザベートの束縛された魂とヴィンディッシュ嬢の自由な魂の対比

 

そして今回、海ちゃんヴィンディッシュは一つの答えを観客にしっかりと提示したと思います。(これについては後述しますね)

 

 

精神を病んだ患者は無闇に暴れない事実

 

海ちゃんのヴィンディッシュ状に対してはいろんな意見があるようです。

好意的ではない意見を集めると

 

「迫力が足りない」

「狂気が足りない」

「期待はずれ」

 

などなど。

 

しかし、私はこれらの意見に反論したい!

 

ただただ扇子を振り回したり、大声を出したりすれば狂気ってわけではない。

はちゃめちゃに動き回ったり、叫べば迫力が増すというわけではない。

 

そんなのはB級ホラー映画に任せておけばいい話。

動きがド派手なヴィンディッシュ嬢を求めてる人にとって今回の海ちゃんヴィンディッシュは向いていなかったはず。

 

海ちゃん演じたヴィンディッシュ嬢は精神崩壊した人を目のまで見てしまった時に味わう戦慄が確かにあった。

 

そして、、彼女のヴィンディッシュ嬢には精神を病んでいる患者さん特有の流れをしっかりと感じ取れた。

 

実は学生時代に精神病院でボランティアをしたことがあるのですが、患者さんの多くは最初から大声を出したり走り回ったりしているわけではない。彼らに狂気はない。

 

彼らがそんな行動に出るときは必ず理由(というかきっかけ)がある。それは些細なことだったり、はたから見てわかるようなことだったり・・様々だ。

 

宝塚のヴィンディッシュ嬢を見るたびに嫌だったのは、彼女たちが精神を病んでいるという状態=狂気と誤解していることだった。

何もないのに暴れて大声を出して。。なんてことを彼らは殆どしない(一部の患者さんにはそのような方もいます)。

 

海ちゃんヴィンディッシュ嬢はこの辺りをよく理解して役作りされていて、史上最高の誇張しすぎないリアルなヴィンディッシュ嬢を演じられていたと絶賛したい。

 

魂を救済されたのはヴィンディッシュ嬢ではない

 

病院の場面でよく議論されているお題が「ヴィンディッシュ嬢の魂は救われたのか?」

ということ。

 

今回の海ちゃんを見る限り、魂を救済されたのはヴィンディッシュ嬢ではない気がしました。

 

魂の救済を求め、されたのはエリザベートの方ではないでしょうか?

 

チャピエリザを見ているとヴィンディッシュ嬢を抱きしめてはいるものの、ヴィンディッシュ嬢の魂の自由さに縋っている様にも見えました

 

むしろ、精神的にはチャピエリザの疲れ切った魂を癒し、自由な心で包み込んでいるのは海ちゃんヴィンディッシュなのかもしれないと初めて感じました。

 

そして。

これは飛躍的すぎる考えなのかもしれませんが、、、。

 

海ちゃんヴィンディッシュ嬢は、人の心を映し出す鏡のような役割を果たしていたように思います。

 

チャピエリザに会ってからの彼女の変わりよう、彼女と別れてからの表情を見ていると、「もしかして彼女(ヴィンディッシュ嬢)のあの弾けるような叫び声はエリザベートの救済されない魂の叫びだったのかもしれない」とずっと考えてしまいました。

 

 エリザベートの孤独な魂に共鳴し、その心の叫びをヴィンディッシュ嬢という拡声器を通して周囲に示されたのだと。

 

その解釈で「病院の場面」を見ると、扇子の交換やエリザベートの歌詞にも納得できる部分がありました。

 

「病院」は考えれば考えるほど深い場面ですね。

 

皆さんはどう思われましたか??

 

 

語りつくせない海ちゃんヴィンディッシュの魅力

 

もう2000文字超えてしまいましたが、まだまだ全然語り足りないです笑

このお題だけでセミナーできちゃうくらい語りたい!!!

 

皆さんの海ちゃんヴィンディッシュ嬢の感想もお待ちしております。

是非お寄せください。

 

でわ。 

 

*エリザベートレポ一覧

エリザベートは各キャストが魅力的なので個別で書き分けています。

ぜひ他の感想もご覧ください^^

 

 

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