こんにちは!
む〜です。
実はですね!
先日、マシュー・ボーンの『シンデレラ』を観劇して参りました!
初マシュー・ボーン作品の感想をせっかくなので書き残しておきたいと思います。
ご興味のある方だけご覧くださ〜い。
10月11日のキャスト
*撮影許可をいただいて撮影しております。
本日のキャストはこの方々でした!
【10月11日 (木) 13:30公演】
シンデレラ役:コーデリア・ブレイスウェイト
ハリー(パイロット)役:アンドリュー・モナガン
天使役:パリス・フィッツパトリック
継母役:マドレーヌ・ブレナン
とにかく、シンデレラ役のコーデリアさんと天使役のパリスくんが素敵でした!
実はパリスくんは本日が最後の公演だったそうで(観れてラッキー!!)。
なんとマシュー・ボーンの『ロミオとジュリエット』のロミオ役として大抜擢されたんですね笑 その関係で?11日の公演を最後に天使役は卒業されるそうなんです笑(キャストとして他の役を演じているそうです!)
ちなみに、ジュリエットはシンデレラを演じているコーデリアさん笑
シンデレラと天使がロミジュリで共演するなんて全く知らなかったので驚きでした!
今日お二人の舞台を観れたのも何かのご縁。
もし来日公演があれば必ず観に行こうと思いました。
エントランスには、ガラスの靴の展示も!
あんまり舞台の内容と”ガラス”の靴は関係ありませんでしたが笑
可愛かったです。
可愛かったといえば、こんなものも頂いたんです^^
THANK YOUクッキーとガラスの靴のアクセサリー✨
クッキーが可愛すぎて永遠に食べられそうにないです涙
しばらくはお部屋に飾って置こうと思います。
開演時にアクシデントが発生!
今回のお話は「第二次世界大戦中のイギリス」が舞台。
開演前から爆撃機が低く飛んで行く音が流れてさいて、劇場内は戦時中のような雰囲気。
そして開演の合図とともに幕が上がって行くのですが、突然『ビリビリ』と不穏な音がして緞帳が全て上がり切らずに斜めになってしまいました。
それから舞台は1分ほど続きましたが、すぐに暗転してスタッフさんの指示があちこちから飛び交いました。
私、ここまでは「舞台上の演出」だと思っていました笑
勝手に「爆撃機で緞帳が落とされた演出」だと思っていたんですよね〜。
平和な脳みそです。
その後すぐに日本語アナウンスで「え〜っと機材トラブルが発生したため、今日の公演は中止とさせて頂きます」と放送され。
え〜〜〜〜〜〜涙
と1人で悲しんでいたところ、お隣のお優しい方々が声をかけてくださり一緒に悲しんでくれました笑
その後しばらくして「開演を遅らして、もう一度最初からやります!」というアナウンスがあり客席もホッとしました笑
こんなこと初めてでびっくりしました笑
でも舞台はナマモノ!こういうアクシデントも舞台の醍醐味だと思っているのでいい経験になりました。
これをきっかけにお隣の素敵なおば様たちとずっとお話しできたし(話しかけてくださり、本当に嬉しかったです。ありがとうございました涙)、開演まで全然楽しめました。
で、早速内容のレポです。
台詞は必要ない
当たり前ですけど、バレエなので台詞がありません。
最初は「台詞」や「歌唱パート」がないことに慣れませんでしたが、徐々にそんなもどかしさよりも「台詞って必要ないんだな」という事実に気づかされていいきました。
普段、宝塚を観劇しているときは「台詞って大事だな。」「台詞って人の心を動かすな」と思うことがあったのですが、多分これは間違いで。
登場人物の表情だったり、指先の動きだったり、溢れ出る気持ちだったりで私は心を動かされているんだなと気づきました。
今まで思っていたよりも台詞って必要ない。
「目は口ほどに物を言う」という言葉の通り。
人に何かを伝えるために台詞や言葉なんて必要ないんですね。
これは大きな発見でした。
台詞がないことにより、よりキャスト一人一人の表情・仕草に注目することができました。
新しい「シンデレラ」の解釈
今回のシンデレラは賛否両論だろうなと思いました。
というのも、私たちが考えている「シンデレラ」とはほぼ別物だったから。
ベースの話は一緒だし、いくつかのお約束事項(継母・12時の鐘・落とした靴など)も一致していましたが、御伽噺のシンデレラよりもかなり現代的ですし生々しい生の息吹を感じます。
好き嫌いは別れると思います。
衣装も建物も豪華で華やかな舞台ではありますが、どんな照明にも必ず「暗褐色」が混ざっていて舞台が全体的に暗いのです。(私はこの照明に感銘を受けました。どんなに華やかな場面でも”戦争の影”を消し去らないそのリアルさ!素敵でした。)
シンデレラの夢物語は歯が浮くような甘い世界ですが、マシュー・ボーンが描く「シンデレラ」の世界は明日生きているかもわからないような戦時中の世界。
その中でシンデレラの物語を展開させて行くので、シンデレラとハリー(御伽噺の王子的立ち位置の人)の人物像も全く夢夢しくなくて現実的です。
こういう人いるよね!と思えるような人物設定なのです。
だからこそ私はマシュー・ボーンの「シンデレラ」を面白い!と感じたのでしょう。
どんな時代でも愛はある。
どんな状況下でも希望はある。
御伽噺「シンデレラ」のような夢のような世界からこのメッセージを伝えるのではなく、現代に生きる私たちの身近で起こっていた「戦争」からこのメッセージを発信することによって、より身近にそメッセージを感じられる内容になっていたと思います。
副題をつけるならば「大人のためのシンデレラ」と言えるのかもしれません。
辛い現実でも愛はある。
継母に虐められるシンデレラの辛さ・戦時中の堪え難い環境に身を置く辛さは少し現代の私たちに通づる部分があるのではないでしょうか?
私はそんな部分に共感しながらシンデレラを楽しみました。
ACT2~3の”不可思議さ”
ACT1まではすんなり見れた。
何も悩みなくただただバレエの美しさに酔いしれているだけでよかった。ストーリも単純で何も考えなくて済んだのだ。
でも、ACT2あたりから不可思議さに頭を悩ませました。
マシュー・ボーンがこのシンデレラという物語をどう昇華させたいのか。
わからなくなったのです。
ACT1の最後でシンデレラはハリーを追って家出します。
ドイツ軍の空襲の最中、停電した街の中を走りますが、爆撃によって倒れます。
ここで2つの可能性が出てくるのです。
- 爆撃にあった時点でシンデレラは死んだ。そのあとの物語は「IF」の世界
- 爆撃にあったけれど天使の導きによりシンデレラは生きている。その後の物語は「現実」である。
この2つの可能性をあえて潰さないのがマシュー・ボーンの嫌なところ笑
・シンデレラは空想好きで映画が大好き。
・マシュー・ボーンの「シンデレラ」はかなりリアリズムを追求している。
この明確にされている事実から考えれば1の可能性だって生きてくるのだ。
一通り見た後にどちらの観点から見ても、物語として楽しめる。
矛盾がない(ように思える)。
観劇した人は是非、2つの可能性を考えながらこの作品の面白さを探求してほしい。
私はハッピーエンド希望なので2の可能性を希望します笑
キャスト別感想
シンデレラ役:コーデリア・ブレイスウェイト
ポスターになっている、アシュリーさんのシンデレラを見れていないので比較はできていませんが、私はコーデリアさんのシンデレラが好きです。
まずお顔が好み←
エントランスに「今日のキャスト」が掲示されていたのですが、可愛すぎて二度見しました笑
純粋で夢想家。
魔法によって着飾った後も中身は純粋で可愛いまま。
どこか悲しげな瞳がシンデレラの自信のなさを象徴しているようで、私のシンデレラ像にぴったりでした。
お胸もあって上半身がふっくらとされているのに顔が小さい!
どんなドレスを着てもそのプロポーションの良さが際立ってました。
バレエももちろん素敵でした!
技術云々はわかりませんが、彼女のダンスを見ているとシンデレラの考えていることが手に取るようにわかって面白かったです^^
彼女のシンデレラに出逢えて本当によかった。
ハリー(パイロット)役:アンドリュー・モナガン
男性のバレエをあんまり見たことないのですが、どれだけ高く跳んでも静かに着地するその身体能力の高さに驚きました。
そしてアクロバティックなダンスの数々!!男性ならではのリフト、ダイナミックな振り付けがとても素敵でした。
ACT3「ロンドン通り」でシンデレラを探し求めるその姿が一番印象的でした。
御伽噺のシンデレラでは割とすんなり王子がシンデレラを見つけるじゃないですか。私はそこに全然納得してなくて笑
「運命の巡り合わせね!」で済むほど世のなか甘くないぜ!と思ってしまう残念な大人なんですね笑
何故この場面が印象的に残ったかと言うと、ハリーの人間的な苦悩を時間をかけて演出されていたからなんです。
御伽噺の王子は笑顔でたくさんの部下をつかってシンデレラを探すけれど、普通、人を探す時って1人で探すし、全然見つからなくて諦めたりするじゃないですか。
ハリーも同じなんです。荒廃したロンドン中でシンデレラをずっとずっと1人で探してる。
でも時々「あの子は幻だったんじゃないか?」と疑いの気持ちが込み上げてきて、ガラスの靴を投げ捨てたりする。
でもまた慌ててガラスの靴を拾う。
その行動を繰り返しながら諦めきれずに探す。
地下鉄で娼婦とよろしくしちゃうけど、それでも探す。
人間らしい汚さだと思いませんか?
私はこの演出とっても好きです!!
アンドリューさんの苦悩の表情から彼の心の叫びが漏れていてこちらまで苦しくなりました。
天使役:パリス・フィッツパトリック
バレエの知識0の私でもわかる。
彼のダンスは凄い!!
振り付けも他のキャストに比べて特異なものが多かったと思うし、カウントが難しそうな振り付けばかりだったけれどそれゆえにとっても見応えのある”天使”でした。
実は柚香光くんに少し似てるなと感じたんです笑
彼女も彼(パリス)も、自分の魅せ方をよく知っている。
このターンでどれだけ溜めれば自分が一番カッコよく見えるか。
どう手を伸ばせば空間を動かせるか。
無意識の計算で作られたダンス。
そして2人とも群舞よりもソロダンスの方が輝けるタイプ笑
縦横無尽に舞台を駆け回るその姿は天使とは程遠い。
私はパリスくんの天使は”時間”そのものだったと思う。
人を生かすことも殺す事もできる。時間を進める事も巻き戻す事もできる。
天使というにはあまりにも残酷すぎる。
彼は無邪気に人間のところへ赴く。
時を駆け、空を駆け、必要とされているところに赴く。
ACT3、最後のシーン。
シンデレラの幸せを見届けて、カフェに腰掛けている別の女性の肩に手を置く姿に何故か寂しくなった。
当たり前だけど彼はこれからもずっと1人なんだろうと思うと無性に寂しくなるのだ。
時の無情さ、愛の尊さを感じた瞬間だった。
継母役:マドレーヌ・ブレナン
表情だけで迫力満載だった継母様。
シンデレラを殺そうとしたり、若い男に言い寄ったりする痛い勘違いババア。
継母のマドレーヌさんも役がわりだったそうですが、私はマドレーヌさんの継母も好きでした。
継母が何故シンデラを憎むのか?
何故殺そうとするのか?
このあたりの理由づけは舞台上で行われていません。
舞台が開いたその瞬間から継母はとにかくシンデレラが嫌い!殺したいくらい憎いのです。
理由づけが無い以上、観客へのアプローチ方法は二つです。
- 表情・身振り手振りでその理由(経緯)を語る
- 憎しみの感情を全力でぶつける
マドレーヌさんの継母は2のタイプでした。
1番でもいいのですが、これをやるにはあまりにも時間が足りません。
2番の方法は全力でやればやるほど、観客が「何故?」という疑問を挟む余地が無くなります。
マドレーヌさんのバレエはそれほど魅力を感じませんでしたが(振りが遅れていたりしたので)、表情の作り方や手足の動かし方一つ一つが継母のキャラクターを物語っていて役者としての彼女に魅力を感じました。
ちなみに。
夢か現実かわからないシーンで、継母が元気だった頃のシンデレラの父(現代では車椅子に乗っている父)を銃で撃つシーンがあります。
これも夢か現実かわかりません。
(憎いぜマシュー)
このシーンは継母の気持ちを代弁しているだけのか。
それとも現実に継母が銃でシンデレラの父を撃ったことで彼は車椅子生活になってしまったのか。
私はマドレーヌさんの継母を見ている限り、後者の考えが正しいように思います笑
ごめんねマドレーヌさん!笑
もう一回みたい!
バレエの知識0の私でもこれだけ楽しめた「シンデレラ」。
皆さんも是非!機会があればご覧くださいね。
ただのシンデレラ物語ではないですから!
もし「私も見たよ〜」ってかたは是非コメントください!
周りに見た人が少なくて悲しいです笑
よろしくお願いします!
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