日々の戯言

阪急阪神HDの決算短信と宝塚の今後



おはようございます。

む〜です。

 

先日ニュースにもなっていましたが、阪急阪神ホールディングス社が14日に19年度(20年3月期)の決算を発表しました。

 

タイガースや宝塚歌劇団などを含むエンタテインメント事業の第4四半期は新型コロナウイルスの影響を受け、営業収益はマイナス44億円営業利益でマイナス30億円となるそうです。

 

このニュースをみて、さっそく阪急阪神HDのHPで決算短信を読んできました。

今日は私が決算短信を読んで宝塚と関わりがありそうだと感じた部分今後の宝塚歌劇について考えるところを書いていきます。

 

決算短信とは?

このブログでも何度か取り上げている阪急阪神HDの決算短信。

しかし、普通に生活している「決算短信」なんて言葉はなかなか聞かないし、使わないものです。

 

まずは簡単に「決算短信」の意味について解説しますね。

 

「決算短信」

企業の決算発表の内容をまとめた書類のこと。

投資を行う際の判断の資料となる有価証券報告書は、決算の3カ月以上後にしか発表されません。

そこで、企業の決算結果などをなるべく早く投資家へ知らせるために、各企業が作成しています。

しかし、決算短信は、正式な決算発表ではなく推測も含まれていることが多いです。

 

 

大きな決算書を出す前に、投資家の方々に「今うちはこんな状態ですよ」とフェアに知らせる。

それが決算短信です。

 

ただこの決算短信はあくまで「過程」であるため、推測が含まれている部分もあるためどんなに詳細に書かれていても短信止まりであることをお忘れなく。

 

この決算短信を5月14日に阪急阪神HDが世界に公開しました。

決算短信は誰でも閲覧可能な資料なので、もし気になる方はこちらからご覧ください。

 

20年度3月期の決算短信内容は「非常に厳しい」

宝塚歌劇存続を読み解く鍵となるのは「阪急阪神HD全体の経営状況」です。

この短信やその補足資料を読むときは必ず宝塚歌劇の属するエンターテイメント部門だけでなく、全体を見る必要があります。

 

なのでここでも全体的な部分を見ていこうと思います。

 

まず、考慮しなければいけないのはこれが「2020年度3月期」の短信であること。

作成日は5月ですが、ここに記されている経営成績はあくまでコロナによる全面的な救援が行われる前の3月末までであり、4月〜5月の当面休演の結果は反映されていません

 

なので4~5月の収支についてはまだわからないのです。

 

だから

  • エンタテインメント事業の営業収益は、前年比4億9800万円(0・7%)減
  • (エンターテイメント事業での)営業利益は、前年比17億4400万円(13・0%)減の116億9500万円。
  • 阪急阪神HD全体の営業利益は前年比17.2%

 

まだ収まっているというのが現実です。

 

意外に見落としがちなこの事実を皆さんに知っていただきたいですね。

 

「0.7%減なら大丈夫じゃん!」と思わないで欲しいのです。

おそらく4〜5月も入れればこれ以上のマイナスになるでしょうし、阪急阪神HDとしてはさらなる収益減が見込まれます

 

 

というのも今回の減収の最も大きな痛手は、「国際輸送セグメント」そして「旅行セグメント」。

国際輸送セグメント(航空輸送の取り扱い)はコロナの影響をもろに受けていて、営業利益は前年の92.9%減

旅行セグメントも同じくコロナの影響で営業利益は前年の86.8%減となっています。

 

このふたつと不動産業で回復が見込まれない限り大幅な減収が予想されています。

 

それは補足資料でも追記されていますね。

当社グループは、多くの事業で新型コロナウイルスの影響を受けており、2020年度の業績については、その影響が及ぶ期間や程度等によって、大きく変動するものと考えられます 。

こうした状況のもと、通期の業績予想については、現時点では新型コロナウイルスの影響を合理的に算定 することが困難であることから、未定とします。

今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表します。

一部引用:決算補足説明資料

 

宝塚歌劇は存続できるのか?

宝塚歌劇の最大の強みは「阪急阪神HDの100%子会社(阪急電鉄)であること」

 

この不景気の中でも生徒を毎年40名前後採用し続け、さらに全く活動できない従業員(という名の歌劇団の生徒)を雇用し続けられるのは母体である阪急電鉄、さらに阪急阪神HDが大きな会社であることが非常に大きな力を持っています。

 

先日、井上芳雄さんがインタビューでこんなことをおっしゃっていました。

仲間と連絡を取りあうと、話題になるのはまず残念、無念ということ。そして収入のことです。向こう数カ月の収入を見込んでいた舞台がなくなって、どこまで補償されるのかという話にやっぱりなります。特に若手の役者だったりスタッフだったり、立場が弱いほど死活問題です。宅配のバイトを始めたという仲間もいます。

一部引用:エンタメ通信

舞台の中止によって収入源を断たれた舞台人たちはアルバイトを始めているそうです。

この状況を考えると宝塚の今の状況って非常に恵まれていると感じますね。

 

ただ、、やはりコロナが長引けば長引くほど宝塚歌劇存続の未来には暗雲が立ち込めそうです。

 

「宝塚歌劇は震災も乗り越えた!」

「宝塚歌劇は戦後も上演できた!」

 

などなど数々の神話を唱える人もいますが、今回の事態はそれのどれとも重なりません

 

「人が集まってはいけない」というのは演劇にとって致命傷以外の何者でもないからです。

 

今回の短信を読んではっきりと感じたのは「阪急HD全体がやばい」こと。

そして、「東京宝塚の改築(さらなる減収が見込まれていた)は本当にできるのか?」ということでした。

 

私たちがいつまでもあると信じて疑わなかった宝塚歌劇。

存続を危ぶまれる今となっては「確かなものなんて何もない」とだけ思います。

 

どうかこのコロナ禍を乗り切って私たちにまた笑顔を届けてくださいますように!!!

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